「ちゃん、勉強教えてもらえる?」
そう少女――白銀に言ってきたのは沢田綱吉ことツナ。
勉強を教えて欲しいと言ってきたツナを特別その願いを断わる理由のないは「ああ」と了解の意を示す。
すると、ツナは嬉しそうに「ありがとう!」と言って笑う。
そんなツナを見ては少しだけいいことをしたような気持ちになった。二人で勉強会をする約束をしたツナと。二人はお互いの家も近いので一緒に帰ることにした。
ツナの家へ向かう途中、の家によっては学ランから普段着に着替えてきた。
着替えをすませたはツナとともにツナの家へと向かう。
――といっても5分程度でついてしまう距離なので、大した苦にはならない程度の距離だった。
そんな距離だからわかることがひとつある。いつもであればツナの家の前にも中にもバイクと呼ばれるものは置かれていることはない。
二輪車で置いてあるとしたら自転車ぐらいだ。しかし今日は違う。
ツナの家の前には立派なバイクが1台どどんと置いてあったのだ。
「……嫌な予感がする」
バイクを見て開口一番にそう言ったのはツナ。
今日こそはなんの問題もない平穏な日常をおくれると思っていただけにツナを襲う嫌な予感は計り知れない。
顔を真っ青にして深い溜め息をつくツナには彼の肩をポンポンと叩く。
「いい胃薬なら知ってるぞ」
優しい笑みを浮かべてそう言うにツナは泣きつきたくなるのだった。
はじめまして
「た、ただいまー」
「お邪魔しまーす」
バイクのことは気になったが、
それだけを理由に家に帰らないわけにもいかずツナとは沢田家へと足を踏み入れる。
すると、いつも通りにランボやイーピンが「おかえり〜!」と出迎えてくれる。ここまではいつも通りの沢田家だ。「このままなにもないのかな〜」とツナが考えていると
不意に居間につながる扉から一人の青年が姿を見せた。
「おかえり、綱吉」
「兄!」
「…兄??」
どうやらこの青年はツナの知り合いらしい。
だが、にとってははじめて会う人間なのだから警戒してしまうのも当然で、
怪訝そうな表情でツナに兄――と呼ばれた青年を見る。
すると、青年は苦笑いを浮かべながら口を開いた。
「立ち話もなんだし、とりあえず居間にいこうか」
そう言う青年の顔は憎めないものだった。
居間に通されたツナと。
いつもであれば明るい声で奈々が出迎えてくれるのだが、
どうやら奈々は買い物かなにかに出かけているらしく彼女の姿はない。
その代わりに台所で青年がなにやら作業していた。
「…ツナ、あの人はツナの兄さんなのか?」
「えっ、違うよ。兄は俺の幼馴染なんだ。
昔、面倒見てもらってたから兄って呼ぶのが当たり前になってて…」
「そうか、『兄』って言葉が出てきたからビックリしたぞ」
とりあえずの予想はいい意味ではずれたようだ。
今までツナの兄弟の話など聞いたことがなかったので、本当の兄弟だろうとは思っていなかったが。
しかしだ。ツナの兄弟でもない彼が、
はっきり言ってしまえば他人であるに対して下手な態度をとるのだろうか?ふと浮上してきた疑問には首をかしげる。
すると、青年の作業が終わったようでおぼんを1つ持っての前に座る。
そして、手際よくツナとの前に紅茶を入れたカップを置き、最後に綺麗に皿に並べられたクッキーを中央に置いた。
「どうぞ」
人好きのする笑顔を浮かべて青年はたちに紅茶とお菓子を勧める。
勧められた以上遠慮するわけにもいかずは紅茶に口をつける。
白兎の淹れたものには劣るが美味しい紅茶だった。意外だったその美味しさに思わず「美味い」とが呟くと、
青年は心の底から嬉しそうな笑みを浮かべてに言葉を投げた。
「お褒めに預かり光栄ですよ。ノッテファミリー10代目」
「っ!なんでそことをっ!」
「キャバッローネファミリーのディーノが教えてくれました」
「あのへなちょこっ…!!」
へらへらと笑顔を浮かべる友人――ディーノの姿を思い浮かべての思考は一気に怒りに染まる。
しかし、不意にどうして一般人であろう彼がキャバッローネファミリー、そしてノッテファミリーについてまで知っているのだ。
不審に思ったは警戒した表情で青年を見た。
「貴様もマフィアか」
「ええ、ジャパニーズマフィアで名を江戸崎組と申すところに属しております華雅屋と申します」
「江戸……崎…聞いたことがないな」
聞き覚えないマフィアの名前には再度首をかしげる。
はっきりと知らないと言われてしまい少し落ちこんでいるのか青年――は苦笑いを浮かべた。
「多少有名になったかと思っていたんですが、まだまだ駄目のようですね」
「で、その江戸崎組の貴様が私になんの用だ」
単刀直入に尋ねてくるにはきょとんとした表情を見せる。
だが、一秒もたたないうちにすぐにの言葉を理解してまた人好きのする笑顔を浮かべての質問に答えた。
「ボンゴレに協力するもの同士としてお近づきになりたくて」
「お近づきに…か」
「はい、横のつながりはマフィアでも重要でしょう?」
「確かにな、それは私も同意見だ。…知っていると思うが私は白銀。でいい。よろしく頼む」
薄く笑みを浮かべてはパッと手をに差し出す。
それを見てはと同様に笑顔で答えて彼女の手を取った。
「よろしくお願いします、さん」
■いいわけ
ルーチェ様宅白銀さんをお借りしてのREBORN!共演夢でございました!
はじめての募集だったのに、レスしてくださったルーチェ様には大感謝です。
こんなものでよろしければ、受け取っていただけると嬉しいです。ルーチェ様のみ転載可です。